マンガとアイドルとりんご

マンガ・アイドル等のレビューブログ。

失恋ショコラティエが最終巻だ。

長かった連載が、また一つ終わりました。
水城せとなさんの「失恋ショコラティエ」。

ドラマ化もされて、すごく有名になった作品かと思いますが、
簡単に説明をすると、高校生の時に可愛いサエコさんにフラれた爽太は、サエコさんの好きなチョコレートを極めるべくショコラティエになるというお話。
いや、ショコラティエになってからが長い。ショコラティエになって、サエコさんに食べてもらって、ヨリを戻すという長期計画なのですが。サエコさんは結婚するし。でも諦めないしで。
初めは新鮮でした。
少女漫画といえば、

出会い→片思い→両思い→結婚

が筋ってもんかと思っていたので。
初めが失恋て。

それから、サエコさんの心理的描写が少なくて、何を考えているかわからず振り回される感。
ヨリを戻せるのか、爽太のことはどう思っているのか。
全く見えず、それゆえのストーリーがどこへ向かっていくのかの分からなさ。

それが、最後の方で伏線が急ピッチで回収されるように、ぱーっと解けました。
このマンガが伝えたかったのって、恋とか愛とか一側面ではなくて、もっと骨太な一人一人の生き様だったようです。
爽太も、サエコさんも、まつりちゃんも、薫子さんも、えれなも、みんな自分を見つけて、次の道を見つけて終わりました。

道って、結婚とか就職とか、必ずしも具体的な形ではなくて。
自分はこう生きているんだ。こう生きると気持ちいいんだ。という指針のようなもの。
それが一番大事だし、何があっても大丈夫だし、すると形も後からついてくる。
ということを改めて学びました。

そして、それを誰かと共有することが出来ることの至福感。
自分の道を誰かに認めてもらえることの、泣きたくなるほどの嬉しさ。
そこにスイーツがあったら、なお良し。
実は女子会の素敵さを伝えるマンガだったのではないかと、密かに思っています。
自分を誇れるようになりたいものだ。