海とドリトル、感想
途方もないスケール感、人の心、恋心。
遥かなる高みを目指す原動力と、目の前の人をどうしようもなく求める心は、
相反するようで、実は似ている。
海の底、もっと奥深く、まだ誰も見たことのない深淵な場所に、
たぶん、自分の心も埋まってるから。
希求のその先に、自分だとか相手だとか世界だとかが、いっしょくたになる瞬間が垣間見得る。
それをきっと、恐らくだろうけど、彼女らにとって、幸せと呼ぶんだと思う。
*****
大学生・大学院生・ポスドクの海洋研究と人間模様。
そのときだからこそ味わえる悩みや人生。
青春が、スケールの大きなものと繋がる瞬間を味わえて、貴重。
恋とか進路とかクジラとかダイオウイカとか。
これぞ、青春自体が希求するものなのではないか。
恋はただ恋なだけじゃないのだ。
海ほど深くて、空よりも高い、尊いもの、
舐めてはいけないものなのだ。