鳥野しのさんの、ボーイ☆スカート、感想。
電車やカフェで席を選ぶとき。
多分、無意識にバランスを取っていると思う。
端が空いてるなら端にいこう、とか。
この人は一人でもくもくと作業がしたいだろうから、隣に今の私が来ても合うだろう、とか。
そんな風に、人間も、空間を占めるときに空気感を大切にする。
バランスとは調和。
いることだけにこそ、バランスが重視される。
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アイドルはキラキラしているもの。
夢を見せてくれるもの。
アイドルの裏側を見ることは、応援したくもなるし、涙も出るし、勇気を与えてくれることもあるけれど、
アイドルを見る動機というものは、やはり、「キラキラしたものがみたい!」
ということ。
ゆえに、夢が叶わない、干されて辛い、そういうものは、現実に引き戻されるようで、見ている方は辛くなってしまう。
ということで、アイドルの裏側を見せすぎるのも、どうかと思ってしまうのだ。
出来るならば、現実とステージのギャップを。
ステージだけでは、キラキラを。
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さて、鳥野しのさんの、ボーイ☆スカート、感想です。
かなり面白いです。率直に言うと。
スカートをはきたい男子高校生のお話。
性同一性障害とかそういう話ではなくて、ただはきたくてはいている彼。
その衝動にも似た欲求は、誰に説明が出来るわけでもない。
かっこいいから。はきたいから。
それは、誰に何を言われても、自分ですら変えられない本能。
スカートという変わったモチーフからは、誰しもが思ったことがあるであろう、誰に何を言われても「本当に自分が好きなこと」を貫くエピソードが感じられます。
けれど、それを人と共有して。
ちょっとの工夫で、伸び伸びと生きることは可能なのだと感じさせられる漫画でした。
こんな風にみんながお互いに自由に生きられる状態をつくりたいです。
幸あれ。