マンガとアイドルとりんご

マンガ・アイドル等のレビューブログ。

前のめりと、2588日と、SKE48松井玲奈。

言わずと知れた松井玲奈の卒業と、その卒業ソングともされる「前のめり」という楽曲。

走り続けることへの執念。

これまでぶれずに熱く活動してきた彼女を表す楽曲でもあり、彼女が卒業しても現役メンバーが歌いつぐ「うた」でもあり。

そういった意味で、この「うた」はこの先SKE48で語り継がれるものとして、その時歌ったメンバー、目の当たりにする観客に、どれだけ時間がたっても、その時の彼女の背中を浮かび上がらせるのだ。

このように、ひとは伝説となるのだなあと、眩しく思います。

一方「2588日」は、玲奈とファンとの物語を綴った、ソロ卒業ソング。
今、動画が公開されてますが、玲奈のソロは「枯葉のステーション」ぶりといいますか、珍しいです。その珍しい歌声が珠玉のバラードを歌っていて、叫びに感じられて余計に泣けます。

花が枯れることへ、「枯れるその日を恐れない」「大地に語りかけて」と慰める歌。
役割を終えたアイドルとしての玲奈が、一つの死の形のようで。
玲奈がいなくなることへの寂しさが、大地と花と青空と君の物語に消化されて。
かすみ草と言われてきた玲奈のストーリーは、こんな風に終わって行くのだな、と思いました。

松井玲奈という人間は、本当はもっともっと人間らしい存在なのだと思います。
けれども、自分の意志の力で、自分を理想の支配下におき、一つのキャラクターとして存在を固めてきたのではないかと思うのです。
アイドルとしての玲奈、役者としての玲奈。
一つの死を見届ける覚悟と共に、新しい姿を見る覚悟も必要かもしれないですね。

見ているこちらも引き締まる思いです。