好きなものと、そうでもないものの、数学的関係。
自分自身でも、あるものに対して、「本当に好きなのか」、「ちょっと好きなだけなのか」、分からなくなるときがある。
しかし、それらを間違えてしまうと、ちょっと苦しい人生が待っているのだ。実に、似て非なるものなのである。その基準をどうにか固定化できないかと、ずっと私は考えている。そのいくつかを、ここに書き記しておく。
一つには、身体の感触だ。
前者なら、それのことを考えるだけで腑に落ちる。身体が軽くなる。
後者なら、頭が重くなる。つまり頭でっかち状態。
そして、もう一つ、ふと思い付いたのだ。
それは足し算と引き算。
例えば本当に好きな人が現れたとき。その人に対する迷い方はこうだ。
「この人は私と合わないところはないだろうか?本当に十分だろうか?」
一方、好きな人もどきだと、こうではないだろうか。
「この人は私と合うところはあるか?もっと合うと感じられるエピソードはあるか?」
つまり、前者だと引き算、後者だと足し算だということ。
一見足し算の方がポジティブに感じられるが、実は出発点の点数が違う。
高いから引けるのか試し、低いから足せるか試すのだ。
これぞ人間のもつバランス感覚。中庸。
そのバランス感覚の裏側を読み取りながら、計算をする前の、自らたちのぼった確かなボリューム感を、きっと忘れずにいるべきなのだ。